Promise to Suppliers/ 「お取引先」への約束

生産者とともに歩み、
発展を目指す米づくり

お客様にご提供する食材の中で、最も基本的な「お米」。
その安定供給を確保し、求める品質を維持するために、
当社グループは生産者との関係構築に注力しています。

品質を保持しつつ、生産効率を追求
国産米の良さを重視した取引増に期待

農業法人有限会社アグリ川田
代表取締役社長
川田 将平
川田 将平 写真

アグリ川田は、秋田県大館市で約172ヘクタール(2018年度)の耕作地を借り受け、水稲および枝豆、大豆、キャベツなどの生産を行っている農業法人です。水稲は、年平均で340トン前後の玄米を生産し、うち約75%を外食・給食業者向けに納品していますが、その端緒となったのが2014年から始まった吉野家ホールディングスグループとの取引です。県内における米生産の活性化を目指していた秋田県庁の方から話があり、ご紹介を受けたことがきっかけでした。以来、取引量を年々拡大していただき、今年で6年目となります。

吉野家ホールディングスグループからは「ゆめおばこ」と「めんこいな」の2品種の作付を指定されており、2018年産はそれぞれ約48トンを納入しました。2019年産からは「ひとめぼれ」の作付が加わります。これらの米は、農協を経由せずに、吉野家ホールディングスグループの調達会社であるアグリ吉野家ISへのルートで納入しています。

当社にとっては、規模が大きく安定した取引であり、指定品種も低単価ながら作付面積あたりの収量が多いといったメリットがあります。また、自ら生産した米が吉野家の店舗で提供され、お客様に喜んで食べていただいているという「実需が見える」関係は、当社で働く従業員のモチベーションを高めています。

近年、少子高齢化の進行によって農業生産の担い手は急速に減少し、生産インフラ整備の負担集中や耕作放棄地の増加といった問題も深刻化しています。そうした中で、当社が周辺農家からお預かりする農地も拡大が加速しており、これに対応すべくICTやリモートセンシングを導入した生産性向上を図っています。同時に、農業生産の国際認証である「グローバルGAP」の取得を通じて、社内の労働環境や業務上のルールを整備し、安全面および衛生面の改善に努めています。

当社の営農は、大量栽培において一定の品質を保持しつつ、生産効率の追求によって原価を低減し、安定供給を担うことをモットーとしています。これからも農業生産を通して地域社会に貢献しつつ、吉野家ホールディングスグループが目指すおいしさづくりを支え、ともに発展していきたいと考えており、国産米の良さを重視した取引拡大を期待しています。

当社グループにおける米の流れ

米の流れフロー図

求めている米を安定確保するために
「お互いの顔が見える」取引関係を構築

株式会社吉野家ホールディングス
グループ商品本部 商品部 穀物野菜チーム 
バイヤー
深津 篤史
深津 篤史 写真
 

当社グループは、玄米にして年間3万トン近くの米を使用しています。当社と米卸3社が合弁設立したアグリ吉野家ISは、現在その1割に相当する約3千トンを取り扱っており、2019年産米はこれを4千トンに伸ばすべく、本州を中心に調達拡大の取り組みを進めています。その中でも秋田県は、拡大戦略の軸となる地域であり、これまでも県庁と連携し、生産先の開拓を行ってきました。

私たちが確保したいのは、求める特性・品質を持つ米を安定供給でき、そのための直接的なやりとりが可能な生産先です。吉野家向けでは従来、牛丼の「たれ」に合うように、粘りが少なくて硬質な品種を中心にブレンドしてきましたが、近年の鍋メニューや朝食メニューなど定食メニューの展開を踏まえ、「丼はもちろん、ご飯もおいしい」を追求する方針です。この一環として、秋田県産米では「ゆめおばこ」「めんこいな」の2品種に、2019年産から「ひとめぼれ」を指定銘柄に加えました。

一般的な調達ルートの場合、生産者の多くは自ら栽培・収穫した米がどのように消費されているかを知らず、また実需者側の要望も生産者に伝わりにくい状況があります。私たちは「お互いの顔が見える」取引関係を拡げるべく、各地で「生産者大会」などの場を設け、当社グループの取り組みや考え方を伝えながら、生産者の方々の声を直接聞き、意見や提案を採り入れていく仕組みづくりを進めてまいります。

  • 「第5回秋田県生産者大会」写真
    2019年2月26日、アグリ吉野家ISが主催する「第5回秋田県生産者大会」が秋田県庁他のご協力を得て開催され、約20社の生産農家・関係先にご参加いただきました。
    吉野家からは2019年産米の取り組み方針をご説明し、活発な意見交換が行われました。