Top Message/ トップメッセージ

成長投資による収益性向上へ
新中期経営計画を着実に遂行

株式会社吉野家ホールディングス
代表取締役社長 河村 泰貴

「構造変化」による営業黒字化の実現と成長投資の再開

コロナ禍が長期化し、2年目となった2021年度は、当社グループにとって再成長軌道への復帰に向けた道筋をつける重要な年となりました。2020年度は、事業の存続が喫緊の課題であり、緊急事態への対応が何よりも優先されたので、その意味ではやるべきことが明確でした。続く2021年度は、助成金が大企業にも支払われることとなり、危機的状況から脱することはできましたが、感染収束は未だ見えず、過度な安心感による気の緩みが生じないように、経営者として引き締めていく必要があると意識した1年間でした。
営業面は、行動制限が繰り返される中で厳しい状況が続きましたが、前年度にグループを挙げて「構造変化」に取り組み、売上が2019年度比90%に減少しても利益を確保できる体制を各事業体が築き上げ、その目処が立ったことで、一時抑制していた成長投資を再開することができました。

新中期経営計画を通じて収益性を確保、将来に向けてグループ全体の可能性を拡大

新中期経営計画は、2024年度の連結業績における「売上高1,800億円」「営業利益70億円(営業利益率3.9%)」「ROIC 5.0%以上」を目標に掲げています。利益面では基幹事業である国内吉野家が牽引することになりますが、はなまる、海外についてもコロナ前を上回る水準を目指します。
計画達成には、吉野家事業のさらなる成長が不可欠であり、その成否にグループの将来がかかっていると言っても過言ではありません。そのために、吉野家のC&C(クッキング&コンフォート)店舗によるモデルチェンジを最優先で取り組んでいきます。2022年度からの3年間は、このC&C店舗を中心とする成長投資を本格的に推進します。タブレット注文やキャッシュレス決済などの新たな技術導入も進展しており、これらの技術を検証し、取り込んでいくことで、より収益性が高いモデルへと進化させていきます。
公表した計画は、各事業における量的拡大の飛躍を前提としないベースラインであり、M&Aも含むトップラインの拡大があれば上乗せとなります。本業の部分でこれだけの収益性を確保すると、次にグループとして「できること」が増えてきます。M&Aの選択肢も増えますし、スタートアップ企業への出資なども可能になります。将来に向けてグループ全体の可能性が拡がっていくわけで、そのためにも今、一番大事なのは吉野家事業の収益力を確実に高めていくことだと認識しています。

「ひと」による価値づくりを重視した「サステナビリティ基本方針」を策定

当社グループは、「サステナビリティ基本方針」を策定し、特定した5項目のマテリアリティ(重要課題)とともに公表しました。これらの内容を明確化していく上で何を大切にすべきか、取締役会でも議論を重ねましたが、やはり当社グループは「For the People」を経営理念に掲げる企業であり、「ひと」に関するテーマを最も重視すべきであると捉えています。今後は、同基本方針およびマテリアリティが示す方向性と考え方を全社で共有し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進していきます。
企業による取り組みは、世の中にさまざまな影響を及ぼすだけに、特にESG経営/SDGs対応としての活動は、継続して取り組む姿勢が大切です。継続していくためには、その活動がコストダウンを伴うかどうかを一つの判断基準にすることが必要だと考えます。

次の成長に向け長期視点での成長投資を積極的に実施、
より大きな価値提供として社会へ還元

2021年度は、国からの助成金・協力金を得て、財務健全性を取り戻すことができました。この貴重な資金を次の成長に向けてしっかり活用し、成果につなげていくことで、より大きな価値提供として社会およびステークホルダーの皆様に還元してまいります。マーケットの回復があれば、コロナ禍以前の水準よりも高い収益を確保できる体制づくりは完了しており、これからは将来を見据えて、事業環境の変化から新たなチャンスを掴んでいきます。ステークホルダーの皆様には、新中期経営計画にもとづく当社グループの再成長にご期待いただき、引き続き事業活動へのご理解と長期のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

2022年4月 株式会社吉野家ホールディングス
代表取締役社長 河村 泰貴