中期経営計画

2025〜2029年度 中期経営計画

『変身』と『成長』 Transformation for Sustainable Growth

私たちは当社の創業精神を大切にしながら、現状に満足することなく、絶えず変わり続けていきます。迅速かつ的確な意思決定を重ね、一人ひとりが変化を恐れずに国内外で挑戦し続け、“Your Smile, Our Value”という経営方針を、より確かに実現していきます。

戦略実現の為の重要な『変身』

  • インオーガニック投資による成長
  • IT・テクノロジーへの投資とシステム基盤強靭化
  • 出店戦略を主とした量的拡大
  • 本社機能部門と事業会社の一体経営

2025〜2029年度 中期経営計画の位置づけ

基盤整備、構造改革とコロナ対応 『進化』と『再生』、前中期経営計画 『変身』と『成長』、新中期経営改革
    • 収益黒字化
    • 事業売却(選択と集中)
    • 損益分岐点改善
    • 緊急的な資金調達
    売上高 1,536億円
    営業利益 23億円
    • 収益力の向上
    • C&Cモデル改装(吉野家)
    • はなまるターンアラウンド
    • ラーメン事業M&A(2社)
    • 財務基盤安定化
    売上高 2,049億円
    営業利益 73億円
    • 更なる収益向上
    • 積極的な成長投資
    • ラーメン事業の成長推進
    • 事業ポートフォリオ拡充
    • IT・デジタル投資増加
    売上高 3,000億円
    営業利益 150億円

2025〜2029年度 中期経営計画骨子

中期経営計画『変身』と『成長』

基本方針
既存事業の変革(変身)と新たなドライバーの成長
財務目標
2029年度: ROIC7.0% D/Eレシオ0.9倍
3つの戦略基軸
  • 伸ばす
    国内事業
    業態進化と
    新たな付加価値創造
  • 攻める
    ラーメン事業
    第3の事業ドメインへ
  • 広げる
    海外事業
    既存エリア最適化と
    新規マーケット進出
戦略実現の為の重点領域
  • インオーガニック投資
  • 人的資本投資の継続
  • IT・テクノロジーへの投資とシステム基盤強靭化
  • サステナビリティへの取り組み強化
  • グループ事業と機能部門組織の一体経営
  • 社会的価値の向上
  • 経済的価値の向上

2029年度主要経営指標

収益力の向上
  • 売上高 3,000億円
  • 営業利益 150億円
資本効率の向上 ROIC7.0%
財務健全性の堅持 D/Eレシオ0.9倍以内
新たな成長力の確立 ラーメン事業売上高400億円

事業戦略

国内事業(吉野家)

進化
  • 客数獲得
  • 「うまい やすい はやい」
拡大
  • 「顧客利便性の向上」投資
    ・新サービスモデル 900店舗へ
    ・フライヤー設置 1,300店舗へ
    ・タブレット設置 1,400店舗へ
  • 新規出店投資 350店
    新サービスモデル店+テイクアウトデリバリー専門店
挑戦
  • 新業態開発
  • マルチブランド経営
  • 外販商品の拡充
  • 更なる省人化に向けた活動
2024年度 売上高:1,378億円、店舗数:1,259店 | 2027年度 売上高:1,700億円、店舗数:1,400店 | 2029年度 売上高:1,880億円、店舗数:1,500店

取り組み具体的内容

新サービスモデル店舗
から揚げ商品
新業態店舗
  • かるびのとりこ
    • 『牛かるび丼』『スンドゥブ』専門店
  • でいから
    • 『カリカリから揚げ』『手作りおにぎり』専門店
  • もう~とりこ
    • 『ビーフカレー』専門店

外販商品施策

2029年度 国内GMS、SMなどへの配荷 14,000店舗(2025年度比150%)
  1. 常温商品の販売強化

    新しいマーケットへの進出(冷凍温度帯とは違う顧客層の開拓)

  2. グループ各ブランドの外販商品化

    ECを中心とした丁寧なコミュニケーションによるブランドリフトと、スーパーマーケットへの配荷により顧客とのタッチポイントを創出

国内事業(はなまる)

変身と成長に向けた取り組み

進化
  • 立地別販売戦略
  • 来店動機の創出
  • データを活用した商品開発、販促
拡大
  • 大都市出店戦略
  • 3大都市圏への集中出店
  • 新業態モデル拡大(きしめん、バル)
挑戦
  • 新ブランドの創出
  • 和麺事業の開発(そば、そうめん)
  • 狭小店舗フォーマットの開発
  • 採用の多様化
  • デジタル活用による省人化
2024年度 売上高:309億円、店舗数:415店 | 2027年度 売上高:400億円、店舗数:500店 | 2029年度 売上高:480億円、店舗数:600店

既存事業の新たな付加価値

  • 立地別戦略
    ・郊外…居心地のよい空間 → 改装による洗練化つくりたてによる顧客満足度向上
    ・オフィス立地…日常感の創出 → やすく感じる商品構成を確立
    ・フードコート…メニュー最適化
  • データを活用した商品開発、販促

出店戦略

  • 3大都市圏に出店を集中
  • きしめん:星ヶ丘製麺所の派生ブランド「ZZZ 」の展開
  • 洋風居酒屋業態「バル」拡大
  • 和麺融合業態(うどん、そば、そうめん)

成長を支える基盤の強化

  • 採用の多様化:海外日本語学校との提携高校卒の社員採用強化シルバー人材の活用
  • ニーズを満たす仕組みの確立:海外人材現地研修センター開設うどん学校、子ども食堂の活動

海外事業

拡大に向けた取り組み

海外事業のポイント
  • 商品戦略:日本商品、ローカライズ化
  • 価格戦略:各国の価格設定、競争優位性
  • 販売戦略:店舗展開の特徴
  • プロモーション戦略:エリア別のSNS活用
  • フランチャイズ戦略:現地パートナーとの連携
中期の取り組み
進化
  • アメリカ:カミッサリー稼働による原価構造改革と品質向上
  • 台湾:収益構造改革とフォーマット変更
拡大
  • 各国の特色を活かした牛丼を基盤とした商品開発
  • 中国、香港:フランチャイズとの協業による共同購買
  • アメリカ:カリフォルニア州および隣接州への出店拡大
  • シンガポール:ハラル認証の認知度向上による客数増加
  • インドネシア:FCによる出店拡大
挑戦
  • 未進出地域へ積極出店によるドミナント形成
  • 国内成功フォーマットの海外展開

海外事業(吉野家)

  • 売上高
    2024年 278億円、2027年 290億円、2029年 310億円

    日本の成功フォーマットの導入を進め、新たな海外成功モデルを構築する

  • 店舗数
    2024年 998店、2027年 1,070店、2029年 1,120店

    有望エリアである中国大陸および東南アジアへの積極出店を行う

ラーメン事業

『ラーメン提供食数世界NO.1構想』実現に向けた取り組み

  • 第3の事業ドメイン化に向けフォーカス
  • 既存ブランドの積極出店と同時にマルチブランドM&A戦略の実行
  • 製造・開発機能(宝産業)の活用によるグローバル需要への対応
2024年度 2025 - 2029年度 2034年度
外食事業
  • リージョナルドミナント戦略
  • 既存ブランド国内新規出店
  • 新ブランド開発
  • 海外FC展開拡大
  • 宝産業商材の活用
  • 人材シナジー

2029年度
売上高400億円
店舗数500店舗

ラーメン提供食数
世界NO.1

製造・開発事業
  • 国内外製造能力増強
    2027年現行比:製造能力150%、保管能力200%
  • 海外ハラルスープ対応化
  • 欧州スープ製造拠点の拡大
  • 営業リソースの大幅強化
インオーガニック
領域
  • 国内リージョナルM&A戦略
  • 海外M&A戦略
進化
  • 立地別販売戦略
  • 来店動機の創出
  • 既存ブランド国内新規出店
  • 人材交流によるシナジー効果
拡大
  • 海外FC展開拡大
  • 宝産業商材の活用
  • 国内外製造拠点の増強
  • 宝産業営業リソースの拡大
  • 海外ハラルスープ対応化
挑戦
  • 国内リージョナルM&A戦略
  • 海外M&A戦略
  • 新ブランドの創出
  • デジタル活用による省人化

ポートフォリオ推移

セグメント別売上高比率

2021年度 吉野家69% | 2024年度 M&A含めた積極投資によるラーメンシェア拡大 吉野家67%、ラーメン4% | 2029年度 吉野家61%、ラーメン13%

セグメント別目標数値

売上高のグラフ CAGR:7.9% 2024年度 2,049億円、2029年度 3,000億円(+951億円)
セグメント 2024年度
実績
2027年度
目標
2029年度
目標
CAGR
吉野家 1,378億円 1,700億円 1,880億円 6.4%
はなまる 309億円 400億円 480億円 9.2%
海外 278億円 290億円 310億円 2.2%
ラーメン 80億円 170億円 400億円 38.0%
営業利益のグラフ CAGR:15.4% 2024年度 73億円、2029年度 150億円(+77億円)
セグメント 2024年度
実績
2027年度
目標
2029年度
目標
CAGR
吉野家 78億円 100億円 121億円 9.2%
はなまる 20億円 30億円 42億円 16.0%
海外 12億円 17億円 25億円 15.8%
ラーメン 4億円 13億円 40億円 58.5%
調整額 △41億円 △60億円 △78億円

財務戦略

投資方針および計画

財務規律の堅持と投資効率改善を前提として、既存ブランドの進化に向け成長投資を推進、加えて、事業ポートフォリオの拡充に向けて積極的なインオーガニック投資により、企業価値の向上を図る

投資区分 5ヵ年投資額 主な投資内容
既存事業
基盤投資
50億円
  • 店舗・工場経年対応投資
50億円
  • システムインフラ・セキュリティ強靭化
既存事業
成長投資
450億円
  • 新店・新業態投資(ラーメン含む全業態)
200億円
  • 改装投資
  • 吉野家C&C、はなまる郊外新フォーマット他
50億円
  • ラーメン国内外新工場及び増産対応投資
100億円
  • デジタル・IT投資
  • 顧客利便性向上・省力化・効率化、未来投資
インオーガニック
投資
400億円
  • 国内外ラーメン事業M&A投資
  • その他M&A、資本提携
5ヵ年投資計画 1,300億円

キャッシュアロケーション

~創出したキャッシュをさらなる成長投資、株主還元の強化に適切に分配~

ROIC向上に向けた取り組み

安定したキャッシュ創出と資本効率の最大化

  • 既存事業の稼ぐ力を高め継続的に安定したフリー・キャッシュフローを創出
  • 投資対象の選別と資本配分の最適化により、ROICを持続的に改善
  • 2029年度 ROIC7.0%

ROIC向上
ROIC(投下資本利益率)> WACC

  • 成長を伴う事業収益向上

    • 成長投資
    • QHA・マーケティング施策
    • 本部共通コストの最適化
    • 投資PDCA高速化(効果の最大化)
  • 資本効率の向上

    • 資本構成の最適化(有利子負債活用)
    • キャッシュコンバージョンサイクルの短縮
    • 株主還元の充実

グループ経営アプローチ

  • ベストプラクティスの横展開
  • 事業収益性低下時の見極めと期限付き対策の実行
  • 組織別個別最適からグループ全体最適(サイロ化の撲滅)
  • 投下資本を踏まえたM&A投資とPMI

人的資本経営の推進

人的資本経営『いつまでも働き続けたいグループ』を追求する

従業員やその家族がグループに所属していることを誇りに思えるような企業に!

  1. 従業員ロイヤリティ向上

    組織風土改革:柔軟で多様な従業員の働き方を支える制度の整備と、各種規定の整備
    • 職場環境改善
    • エンゲージメントサーベイの定着
    • DE&Iの実践
    • 健康推進プログラム
  2. 充実した人的資本の保有

    採用ブランディング:採用戦略の構築と推進により成長に必要な人員を確保
    • 採用オウンドメディア強化
    • 採用チャネルの多角化
    • 待遇水準の適正化
    • 採用プロセスの適正化
  3. 市場価値のある人材育成

    人事データの活用:サステナブルな経営者輩出を可能とするグループ教育体系の再整備、およびキャリアパス再設計と母集団の可視化
    • 人事系システム刷新
    • 人材データの統合分析
    • 各階層定型研修の見直し
    • グループ内人材交流の活性化
    • 外部機関への派遣・交流

IT戦略

データ活用による企業変革(5年間で150億円のIT・デジタル投資を計画)

お客様サービス品質の維持向上と原価率の低減、品質の向上を目指し、グループ全体の市場競争力を強化し、お客様の支持を高める。

システムモダナイゼーション

UX向上

情報の見える化
  • 必要情報にいつでもリーチ可能
  • スピーディーな情報配信(在庫最適化/廃棄・ロス対策)

EX向上

業務自動化
  • 受発注・予測等の自動化
  • SNS、AIエンジンによる問い合わせ対応、社内プロセスの自動化

サプライチェーンマネジメントの強化

サステナビリティ推進

サステナビリティ推進による競争力強化

  • 競争力向上に資するESG施策
  • 非財務施策の経済的価値評価への落し込みと事業連動
5つのマテリアリティ【ダイバーシティ&インクルージョンを実現し「ひと」の成長と活躍を促進】【より多くのお客様に「食」の楽しさと健康を提供し、豊かなくらしを実現】【食を中心とした事業の展開による地域社会への貢献】【お取引先様との共創による持続可能なサプライチェーンの構築】【環境に配慮した事業活動による気候変動対応】、事業連動と価値評価【人材教育・キャリア支援】【女性活躍、離職率低減、有給取得率】【健康診断受診率向上】【食品安全マネジメントシステム】【特保食品・ケア商品拡販】【「こどもごちめし」拡大】【被災地支援・募金】【サプライヤー監査】【食品ロス削減】【産業廃棄物の再利用】、競争力の強化【未来に向けた事業運営】【D&Iによるブランド向上、イノベーション人材の確保・定着】【当たり前の食品安全という信頼】【あらゆる人々へ「食」の豊さを提供】【地域産業活性化】【雇用創出】【サプライチェーン構築】【強靭な収益力と環境保全】