お取引先様とともに環境・社会に配慮した責任ある調達を行うことで、持続可能なサプライチェーンを実現します。
農作物の生産を起点とする「食」のサプライチェーンは、近年、気候変動や国家間の紛争、感染症などの影響を大きく受け、安定供給をいかに担保するかが問われています。また、環境負荷の低減や不法労働・人権侵害など社会問題への対応においても、サプライチェーン全体で取り組む姿勢が求められています。当社グループは、お取引先様とともにこうした要請に応え、「食」の安定供給を支えます。
当社グループでは、自社工場の製造工程で発生する端材を廃棄せず、食肉はハンバーグ原料として外部販売し、玉ねぎは社内でソース原料に使用しています。野菜の外葉は、飼料として動物園に提供しています。
物流面では、お取引先様の協力を得て、食材輸送にコンテナや通い箱を使用し、段ボールの使用量を減らしているほか、適正ロットでの納品によりフードロスを削減し、物流効率を高め、エネルギー使用量を低減しています。
また吉野家では、牛丼の調理過程で発生する牛脂を各店舗から回収し、飼料や製品原料、発電原料などに再利用する100%リサイクルを行っています。
一方、サプライチェーンにかかわるガバナンス面の対応では、お取引先様との関係において、中国のウイグル族弾圧問題に見られる人権侵害や不法労働が行われていないか、年1回の工場査察を実施し、状況を確認しています。今までにそうした問題は起きていませんが、これが確認された場合は、取引を停止します。
長引くコロナ禍は、食材調達にも影響を及ぼし、現地工場の人員不足やコンテナ輸送の逼迫など、さまざまな問題が発生しています。商品部では、各食材のポジションをあらためて整理し、現地工場の稼働状況などを逐一確認しつつ、製造中止や入船遅延といった不測の事態に備え、国内製造および国内在庫量の調整も行っています。
そうした中で重要なのは、やはりお取引先様との信頼関係です。当社グループへの優先対応にもつながる確固たるパートナーシップを築くべく、連携を強めていきます。
また近年の原材料価格高騰については、需給バランスの悪化が続く中で、日本が世界的に買い負けている状況があり、安定した価格での調達を維持することが困難になってきています。今後は、代替品や新規食材・部位などの検証、配合変更などの提案も進めながら、各バイヤーが価格の抑制に向けた努力を継続していきます。
持続可能なサプライチェーンの構築に取り組むため、以下の方針に則り安全な調達を行うとともに、この方針の理解と実践をお取引先・従業員へ働きかけてまいります。