Building a Sustainable Supply Chain / お取引先様との共創による持続可能なサプライチェーンの構築

お取引先様とともに環境・社会に配慮した責任ある調達を行うことで、持続可能なサプライチェーンを実現します。

社会課題・世の中のニーズ

農作物の生産を起点とする「食」のサプライチェーンは、近年、気候変動や国家間の紛争、感染症などの影響を大きく受け、安定供給をいかに担保するかが問われています。また、環境負荷の低減や不法労働・人権侵害など社会問題への対応においても、サプライチェーン全体で取り組む姿勢が求められています。当社グループは、お取引先様とともにこうした要請に応え、「食」の安定供給を支えます。

機会

  • 環境・社会課題への対応を通じて共創先企業の信用を醸成
  • 持続可能なサプライチェーンが生み出す企業価値
  • 環境負荷の低い商品開発による顧客ニーズの獲得

リスク

  • 食材価格の高騰や供給逼迫による安定調達の停滞
  • 人権侵害などの発生が招くブランド毀損や顧客離れ
  • 異常気象や災害によるサプライチェーン上の各工程への悪影響
  • 物流業界における人材不足

短・中期的な施策

  • 原価低減の提案・実現
  • 海外原料供給体制のカントリーリスクヘッジ
  • 店舗負荷低減包材の提案・導入
  • 環境課題への対応(再生資源活用、食材ロス低減)
  • アニマルウェルフェアへの対応
  • サプライチェーン上の人権侵害抑止への対応

お取引先様との共創

食材の調達における基本方針

当社グループでは、吉野家とはなまるを中心とする国内事業の食材調達について、グループ商品本部内の商品部が一括する形で仕入れ機能を担っています。これにより仕入コストの低減および業務の効率化を図るとともに、安定調達を維持し、食材の品質と安全性を担保しています。

調達方針

持続可能なサプライチェーンの構築に取り組むため、以下の方針に則り安全な調達を行うとともに、この方針の理解と実践をお取引先様・従業員へ働きかけてまいります。

  • 当社品質管理基準を遵守した「安全」な食材調達
  • お取引先様、当社双方が適正な利潤を得られる良好な関係性の構築
  • 当社従業員による生産者とのコミュニケーションを通じた品質・安全性の向上

ホワイト物流推進運動に参画

物流業界では、配送を担うドライバー不足が深刻化しています。当社グループは、その背景であるドライバーの長時間労働や過重な業務負担の解消を目指す「ホワイト物流」推進運動に参画し、物流改善の提案や協力、発注量の平準化、法令遵守への配慮といった取り組みを進めています。
物流改善では、当社グループが仲立ちとなって配送業者間の連携を促し、イレギュラーな配送には自社ドライバーを運用することで、負担軽減と業務効率化につなげています。またドライバー人材を紹介するサポートも行っています。

アニマルウェルフェアへの対応

アニマルウェルフェアとは、畜産動物を命あるものとして尊重し、飼育過程においてストレスが少なく行動要求が満たされた、健康的な生育を目指す畜産のあり方です。当社グループにとって、サプライチェーンにおいて持続可能な食材を調達し、動物への配慮をし、食品の品質と安全性を確保することが重要だと認識しています。グループ商品本部では、品質管理の一環としてバイヤーによる生産現場の視察を実施し、畜産が劣悪な環境で行われていないことを確認しています。
今後も、私たちが提供するサービスのために飼育される動物が高いウェルフェアを享受し、正しい方法で飼育されるよう、サプライヤーと緊密に連携していきます。そのため、当社グループは国際的に受け入れられているアニマルウェルフェアの「5つの自由」を支持し推進します。

5つの自由

  1. 飢えと渇きからの自由
  2. 恐怖および苦悩からの自由
  3. 物理的な環境による不快さからの自由
  4. 苦痛、傷害および疾病からの自由
  5. 正常な行動を発現する自由

不法労働・人権侵害の抑止

サプライチェーン上における不法労働や人権侵害の発生は、当社グループの社会的信頼とブランドを毀損し、顧客離れを招くなど、事業に大きなマイナス影響を及ぼします。
グループ商品本部は、取引先の選定時にこうした人材・労働面の課題への対応状況をヒアリングするとともに、人権に関する当社グループの方針や考え方を周知し、取引開始後はチェックシートに基づく視察を実施しています。取引先の完全な実態把握は困難ですが、引き続き不法労働・人権侵害の抑止に向けて取り組みの改善を図ってまいります。