グローバル出店を通じて高品質なサービスや食文化を提供し、雇用の創出を促進することで、地域社会の発展に寄与します。
企業にとって事業活動の地域的拡大は、果たすべき社会的責任の範囲拡大を伴うことが前提となります。当社グループは、国内のみならず魅力ある日本発の外食サービスを求める海外各地のニーズに応えながら、SDGsのテーマにも挙げられている世界的な経済格差や不平等、子どもの教育格差などの社会課題に対し、グローバルビジネスの担い手として解決に寄与し、持続可能な未来を次世代に受け継いでいきます。
我が国では、低所得家庭で暮らす18歳未満の割合を捉えた「子どもの貧困率」が高止まりし、子どもの7人に1人が貧困状態にあると報告されています。日常食を提供する社会インフラとして、私たちはこうした子どもたちの生活を支え、未来に向けて育てていく義務があります。また当社グループは、子育てしながら働く従業員が多く、親へのサポートという観点も重視しています。
そうした考えのもと吉野家は、子どもが安心して食事できる環境を作るべく、「子ども食堂」に牛丼弁当を無償提供する活動を2020年より実施しています。また2021年には、新型コロナウイルス感染症の影響が長引き、公立小中高の臨時休校で学校給食が休止となる中、児童養護施設や学童保育所で食事をとる子どもたちに牛丼弁当を無償で届けるサービスを開始しました。
おいしく温かい食事を子どもたちに届ける取り組みは、「食」の豊かさや楽しみを分かち合う機会を提供するだけでなく、支援する方々の負担軽減にもつながります。私たちは、各自治体や公益社団法人、福祉支援団体の皆様、配送事業者などの共創パートナーと連携し、同業他社の参加も得ながら、活動を継続していきます。
新型コロナウイルス感染症の拡大が続く中、外食各社の共通課題となっている来店促進や活性化に業界全体で取り組むべく、当社グループの呼びかけでプロジェクト「#外食はチカラになる」を発足し、2021年10月から12月までの2ヵ月半にわたり推進しました。
史上初の外食業界横断プロジェクトであるこの取り組みは、外食企業とポイントサービス会社などのサポート企業が一丸となって、共通デザインのプロジェクトロゴを用いたPRを実施し、特典の提供や特別キャンペーンにより集客の強化を図るものです。プロジェクト参画企業28社による実行委員会の運営のもと、最終的には全国約16,500店舗の飲食店が参加し、お客様の身体と心に活力をもたらすとともに、業界にポジティブなパワーを取り戻す試みとして成功を収めました。本プロジェクトを通じて築いた外食業界内のネットワークを活かし、当社グループが目指す「競争から共創へ」の可能性を拡げていきたいと考えています。
産学連携プロジェクトへの参画による教育支援活動として、当社は株式会社教育と探求社が提供する中高生の探求学習プログラム「クエストエデュケーション」に協賛しています。この活動は、当社グループのリーダー候補社員に「支援型リーダーシップ」の体験と発揮を促す目的で人材開発教育の一環と位置付けており、参画2年目の2021年度は、吉野家の営業部員をその対象者としました。2020年度に引き続き、中高生チームにミッションを与え、学校訪問やリモートミーティングを通じて企画・提案を支援する「コーポレートアクセス」に参加し、代表チームが1年間の学習成果をプレゼンテーションする「クエストカップ2022全国大会」(2022年2月開催)において受賞者を選出する審査員も務めました。
未来を担う中高生の教育をサポートしつつ、外食業界に対する理解・関心を醸成し、さらに自社におけるリーダー社員の育成につなげていく取り組みとして今後も継続していきます。