Sustainability Policy and Materiality / サステナビリティ基本方針とマテリアリティ(重要課題)

サステナビリティの考え方

吉野家ホールディングスグループは、経営理念『For the People』が示す「企業は社会のニーズを満たし、人々の幸せに貢献するための存在である」との認識を具現化すべく、事業活動において環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)の視点を重視しています。

近年、地球環境や社会を取り巻くさまざまな問題が顕在化し、グローバルに事業を展開する当社グループにとって、それらへの対応は重要な経営テーマとなっています。当社グループは、ESG経営の推進を通じて環境・社会の課題解決を図り、ステークホルダーの皆様とともに持続可能な社会を実現してまいります。

当社グループは、長期ビジョン『NEW BEGINNINGS 2025』のもと、飲食業を再定義する新たな市場創造と価値提供に取り組んでいます。飲食業の再定義とは、現在のビジネスモデルに代えて長期的に運用でき、力強く持続的な成長をもたらすビジネスモデルづくりであり、事業を存続していくために不可欠な転換です。

飲食業の再定義を基本方針に掲げる長期ビジョンは、SDGs(持続可能な開発目標)の達成にもつながるテーマを多く含んでいます。当社グループは、全社を挙げてこれを遂行してまいります。

サステナビリティ推進体制

当社は、サステナビリティを組織全体で推進するために、グループ企画室が主導する体制を確立しています。具体的には、5つのマテリアリティに関連する各推進部署が方針や施策を企画・立案し、グループ全体会議やグループ戦略会議、部門長会議などでグループの全役員や部門長とともに討議を行い、取締役会に報告・付議される仕組みです。2021年度には「サステナビリティ基本方針および5つのマテリアリティ」、2022年度には「人的資本経営」について、取締役会メンバーだけでなく、グループ全役員や部門長も参加する会議において、意見交換や討議を行いました。このように役員や部門長を討議に参加させることで、推進部門だけでなく組織全体がサステナビリティに向けた取り組みに責任を持つことができるようにしています。当社のサステナビリティ推進体制は、社会的な責任を果たすという企業の使命を実現するために、組織文化や業務プロセスに浸透しています。今後も、より良い社会を築くためのサステナブルなビジネスの実現に向けて、積極的かつ継続的な取り組みを続けていきます。

マテリアリティ(重要課題)

吉野家ホールディングスサステナビリティの考え方に基づき、近年の社会環境の変化、社会的要請を踏まえ、さらなる企業価値の向上を推進するため、ESGの観点から事業活動と社会課題の関連性を明確にし「企業の持続的成長」及び「持続可能な社会」の実現に資するマテリアリティ(重要課題)を特定しました。

マテリアリティの特定プロセス

マテリアリティの概念図

マテリアリティの分布

5つのマテリアリティのKPIと関連するSDGs

マテリアリティと果たしたい役割

マテリアリティ SDGsへの貢献 果たしたい役割
(なりたい姿)
2022年度取り組み 2023年度の方針
ダイバーシティ&インクルージョンを実現し多様な「ひと」が活躍できる職場づくり    「ひと」が介在することで生まれる価値や喜びを追求する企業として、労働環境の改善や多様性の確保、人材育成に注力します 吉野家では組織風土診断結果を受けて、コロナ禍において変化した社内コミュニケーションのさらなる活性化を図るために新たに「企業風土向上委員会」を設置し、社員に対して他部署の管理職などがメンター的な役割で負担感をケアする取り組みをはじめました。
  • ダイバーシティ&インクルージョンの実践
  • ライフワークバランスの推進
  • 人材育成・キャリア支援
すべての人々への「食」の楽しさ・健康の提供による豊かなくらしの実現    圧倒的なバリューのある「食」の提供や、安全で健康な商品開発により、人々の暮らしの豊かさに貢献します 外食チェーン初の特定保健用食品(トクホ)許可を取得した冷凍牛丼の具「トク牛サラシアプレミアム」を販売開始しました。
  • 産学連携共同研究での科学的根拠・データに基づく健康価値の提供推進
  • 代替プロテイン(たんぱく食材)の導入に向けた研究
  • 「健康な食事・食環境」の認証取得
グローバルビジネスの展開による地域社会の発展への貢献    グローバル出店を通じて高品質なサービスや食文化を提供し、雇用の創出を促進することで、地域社会の発展に寄与します 「ケア牛」の常温レトルト化による、病院における物販導入や「移動スーパーとくし丸」において、ケア用食品「やわらか牛丼の具」の販売を開始しました。
  • グループ店舗の出店による地域雇用の創出
  • 子ども食堂での温かい食事の提供サポートの継続
  • 「ケア牛」、「缶飯」などの販売チャネルの拡大
お取引先様との共創による持続可能なサプライチェーンの構築   お取引先様とともに環境・社会に配慮した責任ある調達を行うことで、持続可能なサプライチェーンを実現します 長年にわたる取引先との緊密な関係のもと、食材の優先的な供給を担保し、同時に商社・卸サイドの複数購買によるリスクヘッジを機能させることで、質・量ともに各業態の店舗運営に支障のない調達を継続しました。
  • 仕入コストの低減および業務の効率化
  • 安定調達の維持および食材の品質と安全性の担保
  • 「ホワイト物流」推進運動への参画による物流改善
  • 不法労働・人権侵害の抑止
環境に配慮した事業活動による気候変動対応    フードロスの削減やコストダウンを伴う環境負荷軽減施策を実施し、地球環境の保全と経済成長を両立します たれや醤油をはじめとする調味料の使用済み容器やドリンク販売の空きボトルなど、店舗で発生するPET樹脂が廃棄物をリサイクルし、ごみ処理費用の抑制につなげるべく、自社配送センターを置く関西地区で自主回収・リサイクルする検証を開始しました。
  • フードロスの削減と食品リサイクル
  • 環境法令への対応
  • 再生可能エネルギーの導入検討