Promise to Employee/ 「従業員」への約束

海外事業における
グローバル人材の活躍
山東吉野家餐飲管理有限公司 総経理 姜 勇(じゃん よん)
PROFILE
2002年に留学生として来日。アルバイトをする中で、はなまるに出会いお客様の温かい言葉や職場の仲間の親切に励まされて、2008年にはなまるの正社員に。その後2010年の上海万博への出店等キャリアを築き、2019年にはなまるから吉野家へ移り、現在は山東吉野家の総経理。吉野家の味とサービスを異なる国・地域に拡げ、収益につなげていくことをミッションに店舗づくり・組織づくりに励んでいる。

世の中のニーズ・社会的要請

AIなどを活用した自動化・省力化技術は外食業界にも波及しつつあり、特に少子高齢化が進む我が国では、その重要性が増しています。しかし、つくり手とお客様をつなぐ喜びの共感こそがおいしい食事の源泉であり、そこには「ひと」にしか成し得ない価値の提供があります。日本発の「おいしさ」を世界に広げていくには、国・地域ごとに異なるニーズを理解し、味とサービスに還元できる「ひと」の存在が不可欠なのです。

味とサービスの価値をグローバルに拡げる吉野家ホールディングスの「ひと」づくり

誠実さや責任感を重んじ、中長期的な成長を優先

成長スピードを競う多くの中国企業が短期成果を求めるのに対し、長期視点での持続的成長に主眼を置いている点が、吉野家ホールディングスの「ひと」づくりの特徴です。

私自身の歩みを振り返ってみても、失敗を重ねながらも努力の成果が会社に評価され、アルバイトから吉野家の総経理と、国や出身を超えキャリアアップの機会をいただけました。

誠実さや責任感を重んじ、中長期的な人材の成長を優先するスタンスこそが吉野家ホールディングスの「ひと」づくりです。

強みを活かし、多様性を取り入れる「ひと」づくり

店長・スーパーバイザーには、交渉力やマネジメント力が求められ、幹部社員には、部下を適材適所で活かし、強みを伸ばしていくリーダーシップが重要です。

また、これからの海外事業を牽引していくには、国ごと・地域ごとの多様な考え方を取り入れて、円滑なチームワークで現地の人材とコミュニケートしていくことが不可欠になるでしょう。私が率いる山東吉野家では、そうしたマネジメント力とともに事業全体を把握できるスキルを備えた幹部候補を育成すべく、幅広い業務を経験させています。

コロナ禍による外食産業の変化から事業機会を切り拓く

新型コロナウイルス感染症が拡大する中、吉野家は「安心・安全のブランド」として認知され、高い評価を得ています。

一方、飲食店の売上はデリバリーが多くを占め、店舗での提供商品に「+α」の期待が寄せられるなど、消費者の行動・ニーズに大きな変化がみられます。山東吉野家でもデリバリーの強化や、従来メニューに加えたチョコレートなど菓子類の取り扱いを進めています。吉野家の牛丼のおいしさとサービスを広く提供していくことをミッションとしながらも、お客様視点の価値観を作り上げていくことが今後の課題です。例えば地域ニーズに合わせた、中国系ブランドによる業態の多角化といった事業展開も考えられるでしょう。吉野家ホールディングスグループの「ひと」による価値づくりは、巨大な中国市場にさまざまな可能性を拡げ、飲食店の未来を拓いていくと思います。