サプライチェーン
基本方針
農畜水産物生産を起点とする「食」のサプライチェーンは、近年、気候変動や国家間の紛争、感染症などの影響を大きく受け、安定供給をいかに担保するかが問われています。また、環境負荷の低減や不法労働・人権侵害など社会問題への対応においても、サプライチェーン全体で取り組む姿勢が求められています。当社グループは、お取引先様とともにこうした要請に応え、環境・社会に配慮した責任ある調達を行うことで、持続発展可能なサプライチェーンを実現します。









リスク | 機会 |
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KPI
KPIの設定 | 2030年度目標 | 2023年度実績 | 2022年度実績 |
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サプライヤー監査 (環境や人権に配慮したサプライチェーン構築) |
100% | 86% | 81% |
活動事例
調達における基本方針
当社グループでは、国内事業の食材調達について、グループ商品本部内の商品部が一括する形で仕入れ機能を担っています。これにより仕入コストの低減および業務の効率化を図るとともに、安定調達を維持し、食材の品質と安全性を担保しています。
調達方針
持続可能なサプライチェーンの構築に取り組むため、以下の方針に則り安全な調達を行うとともに、この方針の理解と実践をお取引先様・従業員へ働きかけてまいります。
- 当社品質管理基準を遵守した「安全」な食材調達
- お取引先様、当社双方が適正な利潤を得られる良好な関係性の構築
- 当社従業員による生産者とのコミュニケーションを通じた品質・安全性の向上
- グループ商品本部は、取引先の選定時にサプライチェーン上における不法労働や人権侵害、労働面の課題への対応状況をヒアリングするとともに、人権に関する当社グループの方針や考え方を周知し、取引開始後はアセスメントチェックシートに基づく視察を実施しています。
- お取引先様には当社のサステナビリティの考え方とマテリアリティを共有して、これに共感・取組いただけるお取引先様と共創と持続可能なサプライチェーンの構築を目指しています。
サプライヤー監査について
- お取引先様の製造工場へ定期的にバイヤーが訪問し、日常的な情報収集及び定期工場チェックを実施しています。食品安全に関するプロセスを確認・評価・指導を行っています。これらの結果は文書化して保管され、お取引先様とも共有し、改善活動に繋げています。
- 監査においては、アセスメントチェックシートを用いて、取引工場の環境や、製品・原料の工程等を評価し、企画・購買から消費に至るまで一貫した規格管理・安全性を確保しながら持続的な安定供給が実現可能かを見極めています。
- 運用の活動範囲・チェック項目については、毎年更新しています。これまで、環境問題や社会問題、CSRに関する項目はアンケートで情報共有とCSR項目の向上に努めてきました。さらなるお取引先様との共創に向けて、お取引先様サステナブル行動指針を策定して監査項目にはCSR関連の項目を追加し、持続発展可能なサプライチェーンを構築してまいります。
- 全てのお取引先様における従業員管理・人権配慮・公害対策、反社会的行為の状況については可能な限りの情報収集を実施しています。今後は、当該事項をアセスメントチェックシートの監査項目に追加する予定です。
- 食品衛生検査の成績ついては品質管理部門と確認を実施しています。
- 海外のお取引先様は、現地の法令、慣習、現状のみで判断せず、当該事項の国際的な規格や日本国内法令、慣習等に照らし合わせてCSR監査を行っています。
- サプライヤー監査において、不適合や重大な違反があった場合には、事実確認を行った上でお取引先様に改善対応を求めます。また、その改善対応がなされない場合は、取引を見直すことも含めて対応いたします。
バイヤーへの教育・研修
- バイヤーが着任後、所定のカリキュラムに基づいた工場実務研修と衛生研修を行うなどして基礎知識の習得を推進しています。
- 全てのバイヤーに対して、社内品質管理部門の指導を通じて、安心安全に関する教育を実施しています。また、環境問題、社会問題、法令改正に関する研修を適宜実施しています。
- バイヤーがお取引先様を訪問する際には、品質保証部による同行研修を通して実地確認を行っています。
- 購買部門の社員は法令・規制および業界の協定・規範を遵守し、所轄省庁・業界・各お取引先様からの情報収集に努めるとともに、品質保証部を始めとした社内関連部署とも共有を図り、管理方法の設定・改定を実施しています。
- お取引先様との契約は社会通念上、当社が優越的地位にあることを十分に認識した上で、お取引先様が不公正な取引関係を結んでいるとの誤解を生じさせないように、公平かつ合理的、透明性のある取引関係の構築に努めています。
- 品質管理の一環としてバイヤーによる生産現場の視察を実施し、畜産が劣悪な環境で行われていないことを確認しています。今後も、私たちが提供するサービスのために飼育される動物が高いウェルフェアを享受し、正しい方法で飼育されるよう、サプライヤーと緊密に連携していきます。そのため、当社グループは国際的に受け入れられているアニマルウェルフェアの「5つの自由」を支持し推進します。
外部団体との連携
- 環境負荷の低減、社会課題の解決のために、国内外の先進的な取り組みに関する情報を積極的に収集するとともに、セミナーなどの他業種企業と連携した活動を行っています。
- 一般社団法人日本フードサービス協会主催の「安全安心委員会」に参画しています。
- ドライバーの長時間労働や過重な業務負担の解消を目指す「ホワイト物流」推進運動に参画し、物流改善の提案や協力、発注量の平準化、法令遵守への配慮といった取り組みを進めています。
- 物流改善では、当社グループが仲立ちとなって配送業者間の連携を促し、イレギュラーな配送には自社ドライバーを運用することで、負担軽減と業務効率化につなげています。またドライバー人材を紹介するサポートも行っています。