コーポレートガバナンス 機能発揮
取締役会の実効性評価
当社では、取締役会の機能を向上させ、ひいては企業価値を高めることを目的として、取締役会の実効性について、自己評価・分析を実施しております。2017年より年に1回、期末に取締役会の分析・評価を実施しております。また、当社では、3年に1度を目処に外部機関の助言を得て、アンケートを実施しております。今後も取締役会における多様な議論の質の向上を図り、コーポレートガバナンスの強化を通じて企業価値の継続的な向上を推進してまいります。
1. 評価方法・プロセス
実施方法 | 外部機関の無記名方式によるアンケート |
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実施時期 | 2024年1月5日~1月22日 |
対象期間 | - |
対象者 | 取締役5名(うち社外取締役2名)、監査役4名(うち社外監査役2名) |
質問事項 | (1) 取締役会の在り方・構成 (2) 取締役会の運営・議論 (3) 取締役会のモニタリング機能 (4) 社内取締役・社外取締役のパフォーマンス (5) 取締役・監査役に対する支援体制・トレーニング (6) 株主(投資家)との対話 (7) ご自身の取り組み (8) 指名諮問委員会・報酬諮問委員会の運営 (9) 総括 |
アンケートの回答からは、取締役会で審議を行う上で、現在の当社の取締役の人数、割合はいずれも適切であり、多様性についても確保されております。また、社外取締役の知見・経験・能力についても十分確保されていると認識しております。
また、取締役会における審議の活性化・実効性を担保するため、社外役員に対する情報提供及び情報共有の機会を定期的に設けているほか、内部監査部門と取締役・監査役の連携及び独立社外役員相互の連携についても十分確保されております。また、社外取締役2名と社外監査役2名で構成される「独立社外役員会」(議長は社外取締役)を四半期ごとに開催し、取締役会の在り方を含む当社のコーポレート・ガバナンスについて等の意見交換も継続しております。
以上のことから、当社取締役会の実効性は確保されているものと判断しております。取締役会においても、一層のダイバーシティを推進し、女性取締役比率を高めることに努めてまいります。
2. 前期における取締役会の実効性に関する課題への対応
前回実施した実効性評価では、当社におけるサステナビリティに関する課題や機関投資家との対話の共有が必要であるという提言が得られました。この評価結果を踏まえ、当社では、取締役会を含む取締役が参加する会議体において、サステナビリティに関する情報共有および議論の場やIRレポートの報告などを設けました。
3. 当期における取締役会の実効性に関する課題への対応
今回の実効性評価では、当社における人的資本・知的財産への投資等の経営資源の配分や事業ポートフォリオに関するさらなる議論の必要性、加えて取締役会機能のさらなる向上に向けた議論の活性化が必要であると提言が得られました。
当社は、取締役会の実効性担保のため、今後も社外役員への情報提供、議論を重ね、事業執行との連携や監査役との連携も強化し、取締役会における多様な議論の質の向上を図り、コーポレート・ガバナンスの強化を通じて企業価値の継続的な向上を推進してまいります。
2023年度の評価
2023年度の評価はIR情報「プレスリリース」からご覧ください。
役員の報酬等
役員の報酬等については、持続的な成長に向けた健全な制度設計となるよう以下の点に基づき、固定報酬、業績連動報酬、株式報酬によって構成・支給されます。
- 持続的、中長期的に企業価値向上を促す制度であること
- 短期業績を反映し、達成を強く動機づけるものであること
- 優秀な人材を確保・維持できる制度と金額であること
- ステークホルダーに対して透明性、公正性および合理性を備えた制度であり、これを担保する適切なプロセスを経て決定されること
役員報酬の水準および固定報酬、業績連動報酬、株式報酬については、当社の事業内容および経営環境における各種ファンダメンタルズを考慮しながら、時価総額や前期の売上、利益水準等で、当社と同規模の上場企業における役員報酬水準等を参考に決定します。報酬の改定時期は固定報酬・業績連動報酬・株式報酬ともに5月を基本としますが、毎年改定を前提とするものではありません。
業務執行の役員の報酬構成の割合はおよそ次の通りとします。
構成内容 | 固定報酬 | 業績連動報酬 | 株式報酬 |
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役付取締役 | 60〜70% | 15〜20% | 15〜20% |
取締役 | 80% | 10% | 10% |
当社の株式報酬制度は、社外取締役を除く取締役を対象に、退任時までの間の譲渡制限が付された株式報酬を交付するものです。本制度を導入することで、株主の皆様との一層の価値共有を進めるとともに、中長期のコミットメントを強化し企業価値向上に対する貢献意識を高めることを目的としています。対象取締役は、本制度に基づき当社から支給された金銭報酬債権の全部を現物出資財産として払込み、当社普通株式の発行または処分を受けます。支給される金銭報酬債権の総額は、取締役については年額30百万円以内(使用人兼務取締役の使用人分給与は含まないものとします。)とし、支給時期および配分は取締役会において決定します。
取締役の個別報酬については、社外取締役を中心に構成される報酬諮問委員会において、取締役個々の役位、職責および当該事業年度の業績に応じて判断し、これを取締役会に答申し、取締役会にて決定することとしています。
監査役の個別報酬については、監査役の協議により決定しています。
サクセッションプランに関する考え方
120年以上の歴史を持つ当社グループのブランドを永続させていくためには、経営理念に対する深い理解とその実践が経営者に求められます。次期経営人材の育成は現経営陣の最大の責務と心得、新たに代表取締役社長を委員長、社外役員を委員とする指名諮問委員会を2021年3月に設置しました。
今後の持続的成長に向け、当社固有の価値創造ストーリーに適ったガバナンスを形にすべく、同委員会の運営により、当社は「経営人材要件の明文化」、「選任プロセスの透明性の確保」、「候補人材とその保有スキルおよび育成課題の共有」を図っております。
これにより、代表取締役および取締役の指名に係る取締役会の機能強化を果たすとともに、その独立性・客観性と説明責任を担保しました。
指名諮問委員会にて共有された次期経営人材候補の育成については、人事配置転換、研修などを通じて成長機会を提供し、計画的に育成を進めていきます。さらに、人事制度、評価制度の改定により、若手経営人材候補者のプールを拡大することも併せて行っております。
内部統制システム
当社は、経営の透明性・効率性を確保し、企業活動において法令・諸規則を遵守するとともに、適切なリスク管理を行う観点から、グループ全体にわたる内部統制システムの強化・充実に努めています。
当社グループの取締役および使用人の職務執行を法令と定款に適合させる体制として、経営理念および行動指針をグループ各社において共有・実践し、法令・定款の遵守と企業倫理の徹底に向けた社内教育を実施しています。財務報告については、法令等に従って適正に作成すべく、経理に関する社内規程を整備し、年度毎の計画書に沿って、整備・運用状況の評価と改善を図っています。当社グループにおけるコンプライアンスの状況およびリスクマネジメントに関わる評価については、グループリスク管理委員会が担い、取締役会に報告します。
取締役の効率的な職務執行のための体制として、取締役会の月次開催および必要に応じた随時開催に加え、迅速かつ的確な経営判断を補完する目的で、グループ戦略会議等を開催し、そこで審議・決定された内容を担当部門が速やかに実施しています。その上で、グループ監査室が、取締役会において承認された監査計画に基づき、当社またはグループ各社を対象に内部監査を実施しています。グループ監査室による監査結果は、監査報告会にて社長および当該部門を担当する業務執行取締役や監査役に報告がなされています。また、当社取締役・執行役員が、グループ各社の取締役や監査役を兼務するなどして、子会社における意思決定ならびに業務に係る情報を随時把握できる体制をとっており、適切な監督が行われる体制となっております。
監査役は、監査役会で立案した監査計画に従い、取締役の業務執行に対して適法性監査を実施します。また、取締役会などの重要会議に出席し、重要事項に関する報告を受けています。監査の実施に際し、監査役はグループ監査室および会計監査人と意見交換を行い、連携を図っています。
また、当社は、取締役会の任意の諮問機関として、報酬諮問委員会および指名諮問委員会を設置しています。取締役の指名・報酬等に関する評価・決定プロセスを一層明確化・客観化することで監督機能の強化を果たし、内部統制システムにおいても、さらなる拡充につながっています。
